2026/08/04

サイバーセキュリティ業界は、人材不足?それとも能力不足?その違いが重要な理由

サイバーセキュリティの人材不足の本質は、人材そのものではなく、必要な能力の不足にあります。このブログでは、MDR が、重要な運用上のギャップをどのように補うことができるのかを解説します。

2026 年 8 月 4 日 Kim Maibaum 著

長年にわたり、サイバーセキュリティ業界では人材不足が続いています。しかし、多くの組織が直面している課題は、単純に人手を増やすことでは解決できません。求められているのは、ますます巧妙化する脅威を調査し、対応するために必要な専門的な能力です。

ISC2 の 2025 年版「サイバーセキュリティ人材調査」の最新データも、この現実を裏付けています。実に 95% のチームがサイバーセキュリティのスキルが不足していることを認めており、88% が、こうした不足に直接起因するセキュリティインシデントを経験したと回答しています。これは、ますます高度化する脅威環境と、それを管理するチームの実際の対応能力との間に、構造的な隔たりがあることを示しています。また、人材不足が単なる運用上の課題ではなく、直接的なリスク要因になっていることも明らかです。このような状況では、自動化が進む脅威に対して、人員やリソースの制約が、組織へのリスクをさらに高めています。

現在の状況では、人員不足と能力不足の違いを理解することが重要です。制約となるのは、もはや単なるチームの規模ではありません。ますます複雑化する環境で専門知識を活用し、脅威を迅速に阻止できる能力があるかどうかが問題なのです。

現在、多くのチームが対応に失敗するのは、単に人手が足りないからではありません。最も重要な局面で必要となる特定の能力が不足しているからです。そのギャップは、実際のアラートが発生した瞬間に、明らかになります。

問題は検知ではなく、対応にある

多くの組織は社内チームを有しており、セキュリティツールや明確に定められたプロセスが整備されています。しかし、脅威を検知した後の対応についてはプロセスが整備されていないことが多くあります。

インシデントは、小さな兆候から始まることがあります。たとえば、不審なログイン、認証情報の漏洩、あるいはクラウド上での異常なアクティビティなどです。そこから先は、初期検知を効果的な対応へとつなげるうえで、時間が決定的な要素になります。

現代の攻撃は、もはや簡単に発見できるものでも、単純な一本道のような進み方をするものでもありません。多くの場合、アラートの調査を始める頃には、攻撃者はすでにネットワークへの侵入を果たし、環境内でラテラルムーブメントを行っています。そのため、封じ込めが難しくなり、インシデントによる影響も拡大します。

多くの組織は、これに対して追加のセキュリティツールを購入したり、人員を増やしたりして対応していますが、こうした投資を行ったからといって、より良い成果が保証されるわけではありません。セキュリティインシデントへの対応には専門的な知識とスキルが必要ですが、それを社内だけで構築するのは容易ではなく、24 時間 365 日体制で維持することはさらに困難です。

そのため、より多くの組織が、専門のサイバーセキュリティチームと連携して社内チームの能力を補完する運用モデルへと移行しています。その代表的なものが、MDR サービスです。MDR は社内チームの延長として機能し、重要な能力ギャップを補います。MDR サービスは、社内チームに取って代わるものではありません。継続的な監視、高度なコンテキスト分析、対応を支援する機能を提供するセキュリティオペレーションセンター(SOC)を組織が利用できるようにすることで、社内チームの能力を補完します。これにより、脅威の検知から封じ込めまでにかかる時間を短縮できます。

MDR を単なるツールではなく、能力として捉える

経験豊富な人材が不足し、運用上のニーズに予算も追いついていない状況では、単純に人員やリソースを増やすだけで問題を解決することはできません。人員を増やしたからといって、急増するアラートへの対応負荷が必ずしも軽減されるわけではありません。また、より迅速かつ効果的な対応が保証されるわけでもありません。組織には、より現実的な選択肢が必要です。

そこで、MDR サービスが真価を発揮します。単に人員を増やすことや、社内 SOC を構築・運用することに伴う複雑な作業に注力するのではなく、専門的な外部のサポートを活用して検知・対応能力を強化するモデルを検討してみてください。特に、社内 SOC の構築・運用が現実的ではない中小規模の組織にとって、このモデルは有効な選択肢となるはずです。このアプローチにより、社内チームの運用に余計な負担を生じさせることなく、継続的な監視、専門家による分析、迅速な対応を実現できます。

MDR サービスプロバイダーとの連携には、次のような主なメリットがあります。

  • 24 時間 365 日の監視:
    エンドポイント、アイデンティティ、ネットワーク、クラウド環境を継続的に監視し、業務時間外や社内チームが対応できない休日などでも、常に可視性を確保します。
  • 専門家による調査と対応:
    アラートをリアルタイムで検証し、インシデントの影響範囲を特定するとともに、必要に応じて、ホストの隔離や侵害された認証情報の無効化などの封じ込め手順を実行します。
  • 運用上のノイズの削減:
    高度な分析を活用して関連性の低いシグナルをフィルタリングし、誤検知を減らすとともに、実際に対応が必要なイベントを明確にします。
  • 環境をまたいだ相関分析:
    エンドポイント、アイデンティティ、クラウド、ネットワークのアクティビティを統合して分析します。これにより、環境内の異なる階層間を移動する攻撃者を発見するために必要な全体像を把握し、被害が発生したすべての領域を確実に封じ込めることができます。
  • 統合されたコンテキストに基づく可視性:
    情報を単一の運用ビューに集約し、充実したコンテキスト、タイムライン、実行可能なインテリジェンスを提供することで、意思決定を迅速化し、法規制への対応を簡素化します。

サイバー攻撃がより高速化し、自動化される中、組織には、その進化に追随できるセキュリティ運用が必要です。成功の尺度は、もはやセキュリティチームの規模や導入しているツールの数ではありません。脅威を継続的に検知、調査、対応できる能力こそが重要です。MDR サービスは、テクノロジーと専門家による監視・対応を組み合わせることで、このギャップを埋め、不要な複雑さを増やすことなく、組織のセキュリティ運用を強化します。

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