Microsoft Defender と MDR:Microsoft Defender に不足している要素とは?
Microsoft Defender は脅威を検出してくれます。しかし、24 時間 365 日体制で対応するわけではないことから、課題が残ります。WatchGuard MDR を追加して、MSP がアラートから迅速な対応を導く方法を説明します。
2026 年 2 月 25 日、Linda Kerr 著
Microsoft Defender は、中小企業で広く導入されています。Microsoft エコシステムに組み込まれており、IT チームにとっても使いやすく、エンドポイントで攻撃が疑われる活動を検出するのに効果的です。
しかし、検出だけでは攻撃を止めることはできません。
サイバー脅威が進化を続ける中で、最大のリスクはアラートを見逃すことではなく、受け取ったアラートを迅速に調査・対応できないことです。アラートが生成された後の活動にリスクが存在します。深夜 2 時、週末、または IT チームが別の作業に集中している時に、重大度の高いアラートが発生した場合、誰が検証するのでしょうか?誰が影響範囲を調査するのでしょうか?誰が脅威を封じ込めるのでしょうか?
運用面における Microsoft Defender の限界を理解することは、現代の脅威環境で顧客に助言を行う MSP(マネージドサービスプロバイダー)やパートナーにとって非常に重要です。
Defender のみを導入している環境における運用の課題
Microsoft Defender は、疑わしい振る舞いを検出してアラートを生成するように設計されています。しかし、24 時間体制で充実したスタッフがセキュリティオペレーションセンター(SOC)として運用することを想定しているわけではありません。
多くの組織では、チームがアラートを勤務時間内に確認しています。それ以外の時間帯では、アラートがキューに残ったままになることが多くあります。アラートを迅速に確認する場合でも、チームは依然として以下について判断しなければなりません。
- アラートは本当の脅威を示しているか?
- この活動は単独の問題か、それともより広範な攻撃の一部か?
- 攻撃者はラテラルムーブメントを行っているか?
- 脅威を封じ込めるべきか?
- ビジネスへの潜在的な影響はどれくらいか?
これらの判断には、経験、システム全体のコンテキスト、迅速な対応能力が求められます。対応プロセスを確立し、継続的に監視しなければ、脅威を検出してから封じ込めるまでの期間、攻撃を受けるリスクに晒されることになります。
問題は、Microsoft Defender が脅威を検出できないことではなく、検出だけでは実際の対応につながらないことです。
現代の攻撃が従来のワークフローを回避する仕組み
今日の攻撃は、マルウェアが明確な起点となることはほとんどありません。代わりに、次のような手段で始まることが多くなっています。
- 認証情報の窃取
- MFA 疲労攻撃
- 正規のログイン情報を取得するフィッシングキャンペーン
- クラウドアイデンティティの侵害
攻撃者は有効な認証情報を使って正規のユーザーのようにログインする場合があります。このログイン自体は一見悪意のあるようには見えません。Defender は「不審なサインイン」であることを警告するかもしれませんが、その時点で攻撃はすでに始まっています。
その後、一般的に次のような攻撃が実行されます。
- 権限の昇格
- エンドポイント間のラテラルムーブメント
- クラウドワークロードや SaaS アプリケーションへのアクセス
- 常駐化の仕組みの構築
- データの流出
現代の攻撃は非常に速く、数分以内に進行することもあります。アラートを即座に確認して対応しなければ、脅威を封じ込める前に攻撃者が足掛かりを築く恐れがあります。
これは、検出機能のみを導入している環境における根本的な限界です。被害が発生するのは、アラートが存在しなかったからではなく、対応が遅れるためです。
MDR が求められる理由
MDR は、検出と対応に存在している隙間を解消します。
MDR は単なるアラートツールではなく、運用上のセキュリティレイヤーとして、次の機能を提供します。
- 24 時間 365 日の継続的な監視
- エンドポイント、アイデンティティ、ネットワーク、クラウドにわたる相関
- アラートの専門家による検証
- 即時の封じ込め
- 根本原因分析と修復ガイダンス
効果的な MDR は、自動化と人間の専門知識を組み合わせます。自動化と AI により、アラートノイズを低減し、
システム間の活動を相関し、高い精度で本当の脅威を特定します。これにより、大規模な環境でも継続的な監視を実現します。
セキュリティアナリストは、その後、コンテキストを調査し、脅威を検証して影響範囲を特定し、ホストの隔離、侵害されたアカウントの無効化、悪意あるトラフィックのブロックなどの封じ込めを指示または実行します。
MSP が直面する戦略的な決断
Microsoft Defender を利用している顧客を管理する場合、MSP は、主に次の 3 つの戦略を選ぶことができます。
- 社内 SOC を構築する
アナリストの採用、自動化の実装、24 時間体制の管理は、費用が高額になり運用も複雑になります。セキュリティ人材を採用して定着させることだけでも、多くの MSP や SMB のプロバイダーにとって大きな障壁です。 - 専用の対応レイヤーを設けずにツールを運用し続ける
この場合、対応は勤務時間や社内リソース、受け身のワークフローに依存します。アラートは生成されても、封じ込めや調査に一貫性がなく、対応にバラツキが生じます。 - 既存のセキュリティ投資に MDR を追加する
自社で SOC を構築しなくても、24 時間稼働するフル機能の SOC を提供できます。MDR が SOC の役割を果たし、継続的な監視、専門家による調査、積極的な封じ込めを実現します。同時に、顧客は既に使用しているツールをそのまま活用でき、パートナーは顧客との関係性を管理しつつ、エンタープライズレベルの対応能力をすべてのお客様に提供できます。
多くのパートナーにとって、この 3 番目の選択肢が拡張性に最も優れる実践的な選択肢となります。
多くの組織は、Microsoft Defender を置き換える準備ができていません。階層型のアプローチを採用することで、パートナーはセキュリティを強化しつつ、業務の混乱を最小限に抑えることができます。
WatchGuard MDR は、Microsoft Defender だけでなく、サポートされる他のエンドポイント、アイデンティティ、ネットワーク、クラウドプラットフォームとも連携するよう設計されています。ツールの移行を強制することなく、既存のツールを活用して運用できることが特長です。
このアプローチにより、次のことが可能になります。
- 24 時間 365 日体制の SOC による包括的な対応
- アラートの自動フィルタリングと相関分析
- 専門家による脅威の検証
- 迅速な封じ込め
- ハイブリッド環境全体にわたって統合された可視化
- 明確なレポートと根本原因分析
Defender に マネージドの対応レイヤーを追加することで、パートナーは既存の投資を維持しながら、セキュリティの明確な向上を顧客に提供できます。
次のステップとなる統合
時間が経つにつれて、一部の顧客は ベンダーの統合やプラットフォームの簡素化を検討するようになります。
エンドポイント、ファイアウォール、アイデンティティ、クラウドにわたって複雑さを軽減することで、可視性が向上し、運用が効率化されます。
標準化を検討している組織に対して、WatchGuard Endpoint は WatchGuard のセキュリティスタック全体とネイティブに統合され、統合プラットフォームからの協調的な検出と対応を可能にします。
パートナーにとっての大きな利点は柔軟性です。
Microsoft Defender は現代の環境で重要な役割を果たしています。MSP にとって競争優位性となるのは、Defender を置き換えることではなく、運用レベルで活用することです。
マネージドの対応レイヤーを追加することで、パートナーはアラートの単なる管理からセキュリティ成果を向上する立場へと移行できます。顧客にプラットフォーム変更による混乱を強いることなく、継続的な監視、重要な脅威の封じ込め、明確な責任の確立を提供できます。
さらに、顧客が統合と簡素化を検討される場合には、統合型の WatchGuard Endpoint 戦略を利用できます。
決断すべきは Defender か他の製品かの二者択一ではありません。重要なのは、検出された脅威に対してどのように行動するかです。