2022/09/07

コワーキングスペースのリスク、MSP がリスク低減をサポートするには

2022 年 09 月 07 日 Tracy Hillstrom 著

いわゆるコワーキングスペース、または共同オフィスでは、異なる企業や業界のプロフェッショナルが同一のオフィス環境を共有します。このような空間はまずフリーランスワーカーの間で人気を博し、その後スタートアップ企業の職場として好まれるようになりました。しかし、ハイブリッドワークモデルが日常生活の一部となった今、オフィスの縮小や閉鎖を計画している企業が、この場所を新しいオフィスとして視野に入れています。

企業のこの考え方は今後も成長を続けると予想され、業態の将来は非常に有望です。実際、Statista のデータによれば、現在世界には 23,500 個のコワーキングスペースがあり、2024 年にその数は 41,900 個に増加すると予測されています。しかし、利点がある一方で、柔軟性を優先したハイブリッド型ワークモデルの台頭によるコワーキングの普及は、境界線の保護を揺るがしてもいます。結果として、脆弱性と、サイバー犯罪者が利用するエントリーポイントが増加しましているのです。この事実は、2019 年に明るみに出た、WeWork の共用 Wi-Fi ネットワーク経由で暴露された文書に象徴されています。

コワーキングと接続に関するリスク

共用空間を安全に機能させるためには、利用者に対し、データプライバシーと保護された接続を提供する必要があります。共有ワークスペースにおけるサイバーセキュリティの面で重要な要件の 1 つは、脆弱性が悪用されるのを防ぎ、共同ネットワークに接続されているデバイスが以下のような一般的な攻撃によって危険にさらされるのを防ぐことです。

  • 中間者攻撃: ネットワークに接続された 2 つの機器(ホスト)間の通信を不正者が傍受すること。
  • 悪魔の双子攻撃: 攻撃者が偽のアクセスポイントを作成して Wi-Fi パスワードを秘密裏に取得し、そのネットワーク上のデバイスにアクセスすること。
  • パケットスニッフィング: 正規の監視プログラムを悪意のある目的で使用し、ネットワーク上で送信されるデータを収集すること。
  • サイドジャッキング: ユーザのブラウジング中に、攻撃者がセッションクッキーを盗んだり乗っ取ったりしてそのユーザになりすまし、ログインすること。
  • ショルダーサーフィン: 肩越しにデバイスを物理的に覗き込み、パスワードやその他の機密データを入手すること。

専門家が企業に対して最も推奨する戦略は、内外からのアクセスを問わず、組織にアクセスするユーザやデバイスをすべてデフォルトでは信用しない、ということです。

Wi-Fi セキュリティ: コワーキング環境で働くための必須事項

MSP にとって顧客のネットワークの管理はできる限り容易であるべきですが、それはセキュリティにも当てはまります。コワーキングスペースのように、2026 年までに年率 17.0% で 303 億 6000 万ドルに成長すると予測される活況な市場のニーズに対して、MSP は提案を適応させていく必要があります。セキュアな Wi-Fi とネットワーク監視ソリューションを商品に含めることで、この分野の新規顧客を獲得し、さらにはコスト削減が実現され、MSP のビジネス成長が促進できます。

コワーキングスペースがワイヤレス接続におけるリスクを軽減するために提供する理想的なソリューションに必要なのは、以下の機能です。

  • マルチレベルおよびマルチテナント機能
    複数のサービスを管理する複雑さを軽減し、単一プラットフォーム上ですべてのユーザの Wi-Fi 接続とパフォーマンスを展開、設定、レポートできること。
  • レポート機能と可視性の高さ
    デバイスとシステムの健全性を常時把握できること。
  • セキュアな Wi-Fi エクスペリエンス
    単一の無線アクセスポイントに Wi-Fi 6 テクノロジと WPA 3 暗号化を搭載する。疑わしいマルウェアをブロックして無線ネットワークから侵入する脅威から保護するだけでなく、侵入を予防し、有害なコンテンツをフィルタリングして攻撃の機会を最小限に抑えること。
  • Wi-Fi ネットワークをクラウド上で容易に監視できる
    企業ネットワークに接続されたデバイスのエコシステムのパフォーマンスを、統一表示で一覧できるポータルにより、リアルタイムに診断、監視、レポートできること。

Wi-Fi ネットワークのセキュリティをさらに高め、より堅牢なファイアウォールを設置し、リモートワーク時のセキュアな通信を可能にする仮想プライベートネットワークを構築するなど、世界中のコワーキングスペースで、サイバーセキュリティの向上に向けた投資が行われています。ウォッチガードがパートナーに提供しているように、MSP は、ネットワークからエンドポイントまでをカバーする包括的なポートフォリオを通じて、ハイブリッドワーキングモデルから生じるニーズをサポートする、適切な技術パートナーを選択すべき時代になりました。