MSP の進化:IT サポートからサイバーセキュリティのリーダーへ
ウォッチガードの最新レポートは、MSP が AI、サイバーレジリエンス、測定可能な成果を重視する戦略的なサイバーセキュリティパートナーへと進化していることを明らかにしています。
2026 年 5 月 20 日 | Tracy Hillstrom 著
長年にわたり、マネージドサービスプロバイダー(MSP)は企業のIT環境の維持・運用を支える重要な役割を担ってきました。しかし現在、市場が求めているものは根本的に変化しています。
サイバーセキュリティは継続的な運用が求められる課題であり、多くの中小企業(SMB)や中堅企業はもはや自社のリソースのみで対応することは難しくなっています。脅威が高度化し、コンプライアンス要件が厳格化し、24 時間 365 日の保護が求められる中で、顧客がセキュリティサービスプロバイダーに期待する役割も変化しています。
ウォッチガードが委託した最新のグローバル調査レポート「From IT Support to Cybersecurity Powerhouse: The New Mandate for MSP Growth(IT サポートからサイバーセキュリティの中核へ:MSP が成長するための新たな使命)」によると、企業はもはやリアクティブ(事後対応型)な IT サポートを求めていません。現在では、測定可能な成果、運用レジリエンス、そして戦略的な助言を提供できる、プロアクティブなサイバーセキュリティパートナーを求める傾向が強まっています。
この変化は、MSP 業界にとって大きな転換点となっています。
顧客が求めているのはサービスプロバイダーではなく戦略的なセキュリティパートナー
従来の MSP と顧客の関係は、インフラ管理、トラブルシューティング、運用支援を中心に構築されていました。しかし、そのモデルは急速に変化しています。
今回の調査によると、企業の約半数が、すでに自社のサイバーセキュリティプロバイダーを戦略的アドバイザーつまり、先に説明したプロアクティブなパートナーとして認識しています。
企業が重視する項目として、以下が挙げられています。
- 迅速なインシデント対応
- プロアクティブな脅威予防
- 事業継続性とレジリエンス
- 透明性の高いコミュニケーション
- 経営幹部向けの助言やレポート作成
MSP にとって、これは単一のサービスだけを提供する関係から脱却し、長期的な関係を築くセキュリティパートナーへと進化する大きな機会となります。
市場は価格重視から価値重視へ移行している
今回の調査で最も明確に示された結果の一つは、企業が成果を実感できるのであれば、サイバーセキュリティへの投資を増やす意思があるという点です。
- 75% の企業が、今後 2 年間でサイバーセキュリティ予算を増額する予定である
- 47% の企業が、24 時間 365 日の監視と迅速なインシデント対応に対して追加費用を支払う意思がある
- 44% の企業が、AI を活用した検知と対応機能に対して追加費用を支払うことを検討している
これは市場が大きな転換期を迎えていることを示しています。顧客はもはやサイバーセキュリティプロバイダーを価格だけで評価していません。価値、対応力、専門性、そして成果によって評価しているのです。
この変化は、MSP が MDR、脅威ハンティング、コンプライアンス支援、AI を活用したセキュリティ運用といった高付加価値サービスを拡大する好機となります。
顧客体験は競争力を左右する要因
優れたテクノロジーだけでは顧客のニーズを十分に満たすことはできません。
調査では、企業が強力なセキュリティ機能だけでなく、より優れた顧客体験も期待していることが明らかになっています。迅速な対応、プロアクティブなコミュニケーション、高い透明性、そして継続的な関係構築が、サービスプロバイダーを評価する重要な要素となっています。
一方で、サービスプロバイダーの乗り換えを検討する傾向は依然として高い水準にあります。調査によると、半数を超える企業が今後 3 年以内にサイバーセキュリティプロバイダーを変更する可能性があると回答しています。
これは業界にとって重要な現実を示しています。顧客ロイヤルティは当然のものではありません。優れたセキュリティ成果に加え、透明性、迅速な対応、戦略的な関係構築を実現できる MSP こそが、競争の激しい市場で顧客を維持することが可能になります。
合理化と統合が不可欠
サイバーセキュリティ環境が分散化する中で、企業はその運用管理の複雑さを軽減したいと考えています。
レポートでは、ツールを統合し、可視性を向上させ、運用を合理化できる統合型セキュリティプラットフォームへの需要が高まっていることが示されています。
これは MSP にとって新たな機会でもあります。顧客がポイントソリューションに依存する状態から脱却し、ネットワーク、エンドポイント、アイデンティティ、クラウド保護を統合したセキュリティエコシステムへ移行することを支援できるからです。
合理化はもはや単なる運用上の利点ではありません。ビジネス要件そのものになりつつあります。
MSP にとっての重要な転換点
サイバーセキュリティ業界は、現在大きな変革期にあります。顧客は、サービスプロバイダーに何を求めるのか、どのように価値を評価するのか、そして増大するサイバーリスクへの対応を誰に任せるのかを見直しています。
MSP にとって、これは単なる技術的な変化ではありません。ビジネスモデルそのものの進化を示しています。
戦略的アドバイザーとしての役割を担い、高度なセキュリティ機能へ投資し、顧客体験を向上させ、測定可能な成果を重視するプロバイダーこそが、次世代のマネージドサイバーセキュリティ市場をリードすることになります。
MSP の未来像を示した調査結果と洞察の詳細については、ウォッチガードの以下の最新レポートを参照してください。
From IT Support to Cybersecurity Powerhouse: The New Mandate for MSP Growth
(英文:IT サポートからサイバーセキュリティの中核へ:MSP が成長するための新たな使命)