ウォッチガードが Perimeters.io を買収した理由:MSP のための実用的なクラウドセキュリティ
多くの MSP は、クラウドセキュリティ対策としてネイティブツールやポイントソリューションに頼っています。CloudDR は、可視化、検知、対応を統合し、大規模環境でリスクを管理できるようにします。
2026 年 5 月 6 日 | Mick McCarter 著
MSP に「顧客のクラウド環境を保護するためにどのような製品やツールを使っているか」と尋ねると、答えは大きく 2 つに分かれます。
1 つは、Microsoft 365 や Google Workspace などのプラットフォームに標準搭載されているネイティブのセキュリティツールを利用しているという回答です。
もう 1 つは、アイデンティティ管理、設定管理、SaaS の可視化のために、複数の製品を組み合わせて運用しているという回答です。
どちらも理想的なアプローチではなく、いずれも現代の MSP が直面している現実を映し出しています。
これは、ウォッチガードが Perimeters.io を買収した背景でもあります。
本当に重要なのは買収そのものではなく、買収によってもたらされる価値です。
買収そのものが目的ではない
この取り組みの中心にあるのが、WatchGuard Cloud Detection and Response(CloudDR)です。これは、MSP の運用に合わせて設計された、新しいクラウドセキュリティへのアプローチです。
実際、これは長年市場に存在していた課題への回答でもあります。クラウドセキュリティは顧客にとって不可欠となっていますが、その一般的な管理方法は MSP の実際の運用形態とはかけ離れていました。
セキュリティ管理が断片化している状況は、複数のダッシュボード、相関されていないアラート、重要な問題を特定するための多くの手作業といった誰もが避けたい決まったパターンを生み出します。
MSP は一般的に、既知の問題を抱えながらもプラットフォームに組み込まれているツールに依存するか、アイデンティティ管理、設定管理、SaaS の可視化を実現するために複数のソリューションを組み合わせるかのいずれかを選択しています。しかし、どちらの方法も十分な拡張性を備えていません。
CloudDR は、この問題を解消することを目的として設計されており、複数の環境にまたがるクラウドセキュリティ管理を、緊密に統合され、運用しやすい形で実現します。
繰り返し発生するリスク
クラウド侵害の多くは、高度なエクスプロイトから始まるわけではありません。攻撃者はシステムに侵入しているのではなく、すでに存在する認証情報やアクセス権限を利用してログインしています。また、ビジネス部門のチームは新しいツールをすばやく導入する傾向がありますが、その過程で IT 部門が十分に把握できていないケースも少なくありません。その結果、明確なアラートを発生させないまま脅威が環境内に潜み続け、やがて深刻な問題へと発展する盲点が生まれています。これらのリスクは以前から認識されているものですが、近年では相互に関連し合う傾向が強まっています。しかし MSP にとって真の課題は、その存在を理解することではなく、運用の複雑さを増やさずに継続的に管理することにあります。
MSP の実際の業務に合わせた設計 ― 具体的に何が変わるのか
CloudDR により、より実践的な運用が可能になります。一度限りのチェックではなく継続的な監視が可能となり、手作業中心の運用ではなく、自動化や一括操作を活用できるようになります。目的は検知能力を向上させることだけではなく、MSP が現実的に提供・拡張できるクラウドセキュリティを実現し、運用負荷を増大させないことにあります。
MSP にとって、これはリアクティブ(事後対応型)の運用から、継続的で統合的なアプローチへの転換を意味します。複雑なすべての業務を完全になくすことはできませんが、何が起きているのかを理解し、適切な対応を取るための負担を大幅に軽減できます。
つまり、クラウドセキュリティを理論上の対策ではなく、実際に運用できる対策へと変えることが目的です。
Perimeters.io を買収した理由
Perimeters.io は、まさにこの課題を解決するためのテクノロジーを構築してきた企業です。同社のテクノロジーは、アイデンティティに関するアクティビティ、セキュリティ設定の状態、SaaS の利用状況を統合し、運用を複雑化することなく、リスクを一元的に把握できる環境を提供します。
この機能をウォッチガードと統合されることで、MSP がすでに利用し信頼しているプラットフォームで、クラウドセキュリティを大規模に提供できるようになります。これは MSP が管理しなければならないツールや運用業務を増やすことが目的ではありません。クラウドセキュリティを、分断された個別の仕組みではなく、実際に連携して機能する統合的な仕組みへと変えていくことが狙いです。
クラウドセキュリティの進化に伴う大きな変化
今回の買収は、市場全体で進んでいる大きな変化も反映しています。これは、ウォッチガードが推進する統合型セキュリティ戦略をさらに拡張するための第一歩です。
SaaS が企業活動の中心的な存在となる中、セキュリティは個別のポイントソリューションから、実際の IT 環境をより正確に反映した統合的なアプローチへと移行しつつあります。
MSP にとって、それはサイロ化の解消、可視性の向上、大規模なセキュリティサービス提供をより管理しやすくすることを意味します。クラウドセキュリティに必要なのは、さらに多くのツールではありません。本当に必要なのは、重要なツール同士をより効果的に連携させる方法です。CloudDR は、その方向へ向けた一歩となるものです。