2023/08/15

Wi-Fi 6 か 5G か、二者択一はもう必要ない

2023 年 8 月 15 日 Kirk Jensen 著

今日の環境で必要とされているのは、高速、低遅延で大容量のネットワークです。しかしそのような高度なネットワークは、スピード、信頼性、柔軟性とセキュリティの両立という、大きな課題を抱えています。

最近まで、保護という観点で 5G と Wi-Fi 6 のどちらの技術が優れているかという議論が盛んでした。Wi-Fi 6 に多くのメリットを見出すユーザと、5Gネットワークを好むユーザとの間で絶えず論争が繰り広げられていました。どちらの技術も、その特徴に応じてビジネスにさまざまなメリットがあります。では、安全性を維持するためにはどちらか一方を選択する必要があるのでしょうか。

Wi-Fi 6 と 5G の 3 つの主な違い

まず押さえておくべきは、Wi-Fi 6 は WLAN 技術のバージョンを指しているのに対し、5G はモバイル技術だという点です。その他の違いは以下のようなものです。

  1. 認証形式:
    Wi-Fi 6 は通常、強力な暗号化と強化された保護を備えた WPA3 セキュリティプロトコルをサポートしています。そのプロトコルの一部として同等性同時認証(SAE)、パスワードなしでも暗号化接続を可能にする日和見無線暗号化(OWE)、または 802.1X/EAP などの拡張認証プロトコルによるエンタープライズ認証も組み込まれています。5G ネットワークでは、携帯電話で使用されるような SIM カードによる加入者 ID モジュール認証、認証と鍵管理プロトコル(AKA)、拡張認証と鍵管理プロトコル(EAP-AKA)、また証明書ベースの認証があります。
  2. ネットワークセキュリティ:
    Wi-Fi 6 は、暗号化キーを改善したり、スリープモード、起動時間セットなどの機能を備え、潜在的な攻撃にさらされる時間を短縮します。これによりネットワークをセグメント化し、IoT デバイスを個別に配置することを可能にするため、潜在的な攻撃対象領域を減らすことができます。一方で、仮想化と SDN に基づく 5G ネットワークは、柔軟性と拡張性を提供する技術である反面、新たなセキュリティ課題ももたらします。しかし、5Gネットワークは、セキュリティアンカー機能、恒久的なサブスクリプション識別子、隠れたサブスクリプション識別子などのセキュリティコンセプトを導入し、ネットワーク間を移動する接続デバイスの安全でシームレスな再認証を可能にしています。
  3. ユースケース:
    Wi-Fi 6 は、特に屋内では容量と速度の面で優れているため、家庭やオフィスに普及しています。対して 5G は、継続的なアップタイムとスループット要件を必要とするアプリケーションにとって、理想的な選択肢となり得ます。したがって 5G は、病院、教育センター、工場、産業用 IoT など、相対的に多くのデバイスをサポートする大規模な環境を持つ企業にとって優れた選択肢となります。

Wi-Fi 6 と 5G を組み合わせる利点

この二つには上記のような相違点があり、多くの専門家が、この 2 つの技術を組み合わせる潜在的な利点を強調しています。両者を組み合わせるメリットには、以下のようなものが挙げられます。

ネットワークの冗長性

両方の技術を採用することで、どちらか一方に障害が発生した場合でも、もう一方の接続に切り替えてシームレスにサービスを継続することができます。5G は地理的に広いカバレッジを提供する一方、Wi-Fi 6 はより強力に機能します。つまり両者は重なり合う部分があるゆえに、無線サービスのギャップがなくなる、ということです。さらに、5G と Wi-Fi 6 を統合型で導入した場合、エンドユーザにとっては、場所やセキュリティ要件、アクセス権限に応じて 2 つの接続を簡単に切り替えられるようになります。

より効果的なセグメンテーション

異なるユーザやデバイスのセキュリティ、パフォーマンスのニーズに応じて両方のテクノロジを組み合わせることで、それぞれのユーザを特定のネットワークに割り当て、結果としてすべてのユーザに対して最高の信頼性とセキュリティを確保することができます。

イノベーション

2 つの接続オプションを併用することで、IoT やエッジコンピューティング機能の向上など、ネットワークのイノベーションを実現できます。

柔軟性と適応性

優れたスピード、信頼性、柔軟性により、ネットワーク全体の接続性を強化するだけでなく、リモートワークに対し良質なサポートを提供することが可能です。

「どちらが優れているか」という議論は、もはや時代遅れであることは明らかです。 両方のテクノロジを利用できるようにすることで、ビジネスの生産性と柔軟性に大きなメリットをもたらします。この点で、SD-WAN テクノロジとオプションとしての 5G を統合したウォッチガードの Firebox T45 のように、この組み合わせを可能にするソリューションが有用です。それにより、5G と Wi-Fi 6 の接続セキュリティを確実に行い、両方の利点を活用してビジネスを加速することができます。