2023/04/28

Wi-Fi セキュリティとゼロトラストネットワークアーキテクチャ:双方が必要な理由

2023 年 4 月 28 日 Kirk Jensen 著

今日のデジタル社会においてサイバー脅威はますます巧妙になり、検知が難しくなっています。ファイアウォールや VPN のような従来のセキュリティ対策のみでは、日々進化する脅威から身を守ることはもはや不可能となりました。そこで登場するのが、ゼロトラスト・ネットワーク・アーキテクチャです。当記事では、ゼロトラスト・ネットワーク・アーキテクチャについて、また、それを Wi-Fi セキュリティと連携させることでネットワークを強固に保護する方法について説明します。

ゼロトラスト・ネットワーク・アーキテクチャ

ZTNA(ゼロトラスト・ネットワーク・アーキテクチャ)とは何か?

ZTNA は、ネットワーク境界の内外を問わず、いかなるユーザもデバイスも、デフォルトでは信頼しないセキュリティモデルです。すべてのユーザとデバイスは、ネットワークリソースへのアクセスが許可される前に、認証および認可を受ける必要があります。このモデルは、ネットワーク内の水平移動を防止し、潜在的な攻撃者に機密データがさらされないよう制限するのに役立ちます。

ゼロトラスト・ネットワークでは、ユーザ ID、デバイスの健全性、ネットワーク・コンテキストを含む、複数のファクターに基づいてアクセス管理が行われます。つまり、たとえ以前に認証されたことのあるユーザやデバイスでも、自動的に信頼されるわけではありません。アクセスはその都度許可される必要はあり、各アクセスリクエストはユーザの ID、デバイスの健全性、ネットワークのコンテキストに基づいて評価されます。

ゼロトラストと Wi-Fi セキュリティの連携

Wi-Fi セキュリティは、あらゆるネットワークセキュリティ戦略において不可欠です。Wi-Fi ネットワークは、その広帯域性と、機密データを伝送するケースが多いことから、特に攻撃されやすい目標になっています。しかし、Wi-Fi セキュリティのみでは、現代の脅威からの保護には不十分です。そこで、ゼロトラスト・ネットワーク・アーキテクチャと信頼できる無線環境が必要になってきます。

ゼロトラストの原則を Wi-Fi セキュリティ戦略に組み込むことで、許可されたユーザとデバイスのみがネットワークへのアクセスを得ることになります。例えば、Wi-Fi アクセスポイントの構成方法次第で、ネットワークへのアクセス許可のために、デバイス証明書やユーザ認証情報を要求するようにできます。また、ネットワークセグメンテーションを実施することで、潜在的な攻撃者に機密データがさらされる事態を防止できます。
さらに、ゼロトラスト・ネットワーク・アーキテクチャを実装することで、ネットワークアクティビティをより詳細に監視し、異常な動作を検出し、潜在的な脅威に対して迅速に対応することができます。これは、侵害を受けたデバイスや、インサイダー脅威など、ネットワーク内部に潜む脅威を検出して軽減するために特に重要です。

連携でより強固な保護を

今日の脅威のランドスケープでは、ネットワークセキュリティは多層的なアプローチを必要とします。ゼロトラスト・ネットワーク・アーキテクチャと Wi-Fi セキュリティは、あらゆるネットワークセキュリティ戦略にとって不可欠な要素です。ゼロトラストの原則を Wi-Fi セキュリティ戦略に導入することで、許可されたユーザとデバイスのみがネットワークにアクセスできるようになり、最新の脅威からネットワークをより確実に保護することができます。Wi-Fi 6 アクセスポイントや ZTNA などのソリューションへの投資を始め、Wi-Fi セキュリティを強化してサイバー脅威からネットワークを守るべきです。